自由気ままな旅に出ています


by pepo629
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AKIRA &エリカ  5

バスケット高校総体の日。 目が覚めて数歩歩いてエリカがいる部屋の前に立つ。
事件以来ずっと開けたままにしてあるドア。

 夜中付けられている小さなランプは朝の光で点いているのか点いていないのか分からない。ほのかにオレンジ色に染まるエリカの顔は今日も強ばったままだ。
意を決したように一歩そしてまた別の一歩。
ベッド際に座り、
「おはよう、エリカ。今日バスケットの試合に行くよ。」呟くように話しかけた。
目が赤い。きっと眠れなかったんだろう。
消えそうな声でエリカは僕に言った。
「今日、戻ってきたらお願いがあるんだ」
「うん?」語尾を少し上げて聞く。「一緒に寝てくれる?」
ドギマギするようなお願いに僕は顔を赤くした。
しばし沈黙が続く。
「やっぱり駄目なのかな?」心配そうな声だ。
「ねぇ、AKIRA、私自分で証明したいんだ。」「何を?」
「もうだいじょうぶだよって・・・。ね?裸になる訳じゃないから赤くならなくて良いんだよ」
図星だ。彼女のお願いに赤くなった僕は焦って思い違いをしたのだ。

(なぁんだ。)心の中でそう思ったとき、彼女はこういった。
「でもね、いつかAKIRAに抱いてほしいって思っているのは正直な気持ちだよ」

僕は彼女の顔を見ることさえ恥ずかしさを感じた。
布団から伸びてくる腕。そしてゆっくり僕の手に当たる。
僕は彼女の手をつかみ、握りしめた。
「試合勝ちますように!」
少し紅潮した声になっていた。
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by pepo629 | 2005-05-25 12:04 | Short Story