自由気ままな旅に出ています


by pepo629
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にわか雨の予報士 2

「初めまして、冬美さん、じゃあ姉貴に渡しておいて貰えますか」
初対面の人にこれ以上話をしても仕方がないし、アルバイトの時間も迫っている。
話を切り上げようとした僕に冬美はこういった。
「つれないなぁ。せっかく逢えたんだし、飲まない?」
エルメスのスカーフが揺れている。僕は苦笑しながらこういった。
「いや、時間がないんですよ、アルバイトあるんで・・・」
人の気持ちとか都合とかを全く考えない人なんだろうか。
「アルバイトの時間まで・・良いでしょ?」とまで物申す。

返事に困ってるとお助け船の携帯が鳴った。
「もしもし?」
萌(もえ)だった。自宅から3分の近所に住む幼なじみだ。
「涼?今日ね、アルバイト何時に終わる?」
「多分8時半くらいに戻るよ、家に。」
「8時半かぁ・・・・。」残念そうな声に僕は聞いた。
「なんだ、どうしたんだよ」
「ちょっと相談があるんだけど、疲れるよね?」
「いいや、大丈夫だよ。・・・じゃあ、おまえんちに直接行くよ。8時半くらいで良いか?」
「待ってるね。有り難う」彼女の低い声は僕を穏やかにする。
「じゃ、直前にメールするよ」バイバイと声を出した萌は電話を切った。

電話を終えた僕が顔を上げるとエルメスのスカーフは消えていた。
いや、正しく言えば冬美だが・・・・。

しばしきょろきょろと探してみるが、すでに遅かった。
誰一人見あたらない。舌打ちをした僕は仕方なくアルバイト先に向かうことにした。

にわか雨の予報士

にわか雨の予報士 3
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by pepo629 | 2005-06-24 16:57 | Short Story